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令和6年度教育行政執行方針

ページID:0008701 更新日:2024年3月1日更新 印刷ページ表示

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はじめに

1 幼保小等連携
2 義務教育
3 高等学校・高等教育
4 生涯学習
5 社会教育
6 家庭教育
7 芸術文化
8 文化財
9 スポーツ
10 国際化対応

おわりに

はじめに

 令和6年第1回定例会の開催にあたり、教育行政の基本的な考え方と施策の大要について申し上げます。

 感染症法上の分類が2類相当から5類へと移行された新型コロナウイルス感染症は、3年もの間、児童生徒の学校教育活動、市民の生涯学習活動に大きな影響を与えてきたところです。現在では、これまでの日常を取り戻しつつありますが、いつ何時でも状況に応じた行動や対応が必要になってまいります。

 当市が将来にわたって発展していくためには、さまざまな問題に自ら立ち向かい、さまざまな人たちと協働して、それぞれの状況に応じて最適な解決方法を探り出していく力をもつ持続可能な社会の創り手を育成し、多様な個人それぞれが幸せや生きがいを感じられる日本社会に根差したウェルビーイングの向上を実現するための教育の役割が、ますます重要です。

 学校教育では、持続的に児童生徒の学びを保障していく中で、新しい時代に必要となる資質・能力の育成に向けた教育の充実、地域とともにある学校づくりの実現などが求められており、社会教育では、社会の変化に柔軟に対応する中で、さまざまな課題解決・自己実現のための生涯学習の推進、学習機会の提供などが求められています。

 教育委員会では、社会がどのように変化しようとも、子どもたちがふるさとへの誇りと愛着を持ち、自ら考え、主体的に判断し、より良く問題を解決する資質や能力、他人を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性、そして、たくましく生きていくための健康や体力をバランス良く育むことに努めるとともに、市民誰もが主体的に学び続け、学びの成果が生かされる生涯学習社会の実現を目指し、教育行政の充実・発展に尽力してまいります。

 また、さまざまな教育課題に対応するため、『網走市教育大綱』を基軸として関連する計画に基づき、学校と家庭、地域、幼児教育や大学など関係機関との連携を一層強化して、各種施策を推進してまいります。

1 幼保小等連携

第一に、幼児教育と小学校教育の連携についてです。

 学校教育では、幼児期の教育を通して育まれた資質・能力を踏まえて教育活動を実施し、子どもが主体的に学びに向かうことが重要で、そのためには幼児教育と学校教育の連携が不可欠です。

 このため、子どもが円滑に小学校生活を始められるよう、幼児と小学校児童との交流を充実させるとともに、教職員間で教育内容や指導方法についての情報交流や相互理解を深めるため、幼稚園や保育園、認定こども園と小学校との連携を進めてまいります。

2 義務教育

第二に、義務教育についてです。

 子どもたちが自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、判断して行動し、豊かで幸せな人生を切り開いていくことができる「生きる力」を育むために、「知識・技能の習得」「思考力・判断力・表現力等の育成」「学びに向かう力・人間性等の涵養」が実現されるよう、『網走市学校教育推進プラン』を基本として、一人ひとりに応じたきめ細かな指導の充実を図っていきます。

 義務教育9年間の小中連携を通じて、社会的・職業的自立に向け、学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら、児童生徒が一人ひとりのキャリア形成を育むために、キャリア・パスポートを活用するなど、自己の変容や成長の自己評価を促すキャリア教育を実践します。

 さらに、多様な人々と協働しながら、新たな価値を創造していくための力を身につけた子どもを育むため、引き続き高等学校や大学、関係機関との連携も図りながら、さまざまな施策を推進してまいります。

 猛威を振るった新型コロナウイルス感染症は、5類感染症へ移行後、制限なくすべての教育活動が取り戻されたところですが、引き続き感染症への正しい理解とリスクを避ける行動をとることができるよう指導を徹底するとともに、学校運営が円滑に継続できる学校環境整備にも取り組んでまいります。

 次に、「確かな学力」の育成ですが、学習内容の確実な定着には各学校の教職員が一体となって、学校の教育目標を踏まえたカリキュラム・マネジメントを実現し、質の高い教育活動を推進するとともに、生活習慣や学習習慣の指導も含め、学校の成果や課題を教育委員会、家庭、地域で共有し、社会に開かれた教育課程によるきめ細かな指導をさらに充実させていく必要があります。

 また、GIGAスクール構想により整備した1人1台端末や電子黒板などのハードウェア、デジタルドリル教材や指導者用デジタル教科書などのソフトウェアを一体的に活用し、「令和の日本型学校教育」の実現に向け、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の充実に取り組みます。

 一方で1人1台端末の利活用が進むにつれて、故障の増加やバッテリーの耐用年数が迫っており、学びを止めない観点から、今後、端末を計画的に更新する必要があります。

 教職員で組織する「学力向上推進委員会」や「学校ICT活用推進委員会」での学校間の情報共有、指導方法の工夫改善、小中連携の取組を進め、教員の専門的知識や指導技術の向上を図るため、引き続きすべての小中学校での公開研究会の開催や、学力向上フォーラム、特別支援教育研修会、ICT活用研修会や新任教職員研修会を実施するなど、今日的課題やキャリアステージに応じた教員の育成を推進します。

 また、最終年度を迎える「学校力向上に関する総合実践事業」を発展させて継続するために、研究機関と連携し、主体的・対話的で深い学びの実現に向け、「個別最適な学び」と「協働的な学び」という学びを連続・発展させる「学びの文脈づくり」を考慮しながら、将来を担う子どもたちに、これからの時代に求められる資質・能力の育成を目指した学級や授業、学校づくりを進めます。

 一人ひとりの資質・能力を伸ばすための、きめ細かな指導の充実では、全国学力・学習状況調査の結果の分析や、学校評価ガイドラインに基づく教育課程の編成・実施による授業改善に向けた指導・助言等を行う教育研究者を招き、教員の指導力向上を図る研修を実施するとともに、学習支援員の配置による算数・数学科での習熟度別指導や少人数指導、外国語指導助手(ALT)の配置による英語教育の充実に取り組んでまいります。

 土曜日や長期休業中、放課後での学習機会の創出・支援では、東京農業大学や市内高等学校と連携し、学生ボランティアや学校支援ボランティアを活用した取組を推進してまいります。

 家庭や地域と連携した学力向上の方策として、生活リズムチェックシートの積極的な活用を図るなど、基本的な生活習慣の確立や家庭での学習習慣の定着に向けた取組を推進してまいります。

 「豊かな人間性」を育む教育では、自他の持っている良さを大切にし、思いやりの心を育んでいけるよう、道徳教育の充実を図ってまいります。

 また、自分の感覚や行為を通して理解する実習や実験など、さまざまな場面で実際に体験することを通じて学ぶことの重要性が、AI技術が高度に発達するソサエティ5.0時代にこそ一層高まるとされています。そのため、学校教育と社会教育が連携し、地域学校協働活動事業やデジタル図書館を利用した読書活動の推進、社会教育機関・施設などの地域資源を活用した自然体験や職業体験、ボランティア活動など、あらゆる教育活動を通して、自立心や自律性、思いやりの心を培い、子どもたちの豊かな人間性や社会性を育む教育を推進してまいります。

 「健やかな体」の育成では、なぜ、良く食べ、良く眠り、良く運動することが大切なのかを理解し、自ら心身の健康を大切にする気持ちや運動の楽しさ、喜びを実感できる体育活動を通して、心身ともに健康で元気に生活できる健やかな体を持った子どもの育成を目指してまいります。

 楽しく、達成感が味わえる体育授業をはじめ、全小中学校が行う「一校一実践」の取組、「タグラグビー」の推進、「オホーツク網走マラソン」への参加促進などに努めるほか、日本体育大学との連携のもと、大学指導者による教員研修を通して、体力向上を図る取組を推進してまいります。

 次に、生徒指導では、SNSの利用上のトラブルや、いじめ、不登校などさまざまな課題に適切に対応できるよう、学校における情報モラルに関する指導や、新たに学校教育専門相談員を配置し相談体制を充実させるとともに、関係機関との連携を図りながら、これらの未然防止、早期発見、早期対応を強化してまいります。

 特に、いじめ問題は事実関係の早期把握に基づく適切な対応による解決が重要となることから、網走市いじめ防止基本方針や、学校いじめ防止基本方針に基づき、「網走市いじめ問題等対策連絡協議会」を開催するなど、学校と家庭・地域における情報の共有や指導体制の充実を図るとともに、重大事態が疑われる場合については、「網走市いじめ問題専門委員会」を開催し、迅速に対応を進めてまいります。

 いじめの防止では、学校と家庭・地域における情報の共有や指導体制の充実を図るとともに、未然防止、早期の発見・対応に向け、児童生徒が1人1台端末などから相談できるアプリを導入するほか、有識者による講演会を開催し、いじめ撲滅に向けて地域一丸となった意識醸成を図ってまいります。

 さらに、各学校の児童会や生徒会などが行う「いじめ防止」に関する活動の交流や、子どもたち自身がよりよい人間関係づくりや充実した学校生活を送るための取組について考え合う機会として開催する「網走市子ども会議」などの取組を継続してまいります。

 相談窓口を広く持ち、相談機会を増やすことにより問題の芽を早期に解消し、きめ細かな指導につなげるため「スクールカウンセラー」を複数名配置して充実させるとともに、「家庭児童・教育相談室」の活用促進、さらには「教育支援センター(クリオネ学級)」の指導員を増員し、不登校児童生徒への学習支援の取組を進めるとともに、多様な学びの場の環境整備と充実を図ってまいります。

 特別支援教育では、特別な支援を必要とする子どもへの対応を充実させるため、一人ひとりの教育的ニーズに応じた適切な指導や支援が重要です。特別支援学級や通常学級に必要な支援員を配置するほか、学校教職員間で情報を共有し、教職員や支援員を対象にした研修会の開催、発達障がい児童生徒の相談支援などを行い、特別支援教育の充実に努めるとともに、個に応じた学習環境の整備に努めてまいります。

 経済的理由によって就学が困難な児童生徒に対しては、義務教育を円滑に受けることができるよう、必要な援助を行います。

 登下校時の児童生徒の安全確保では、交通安全や防犯、防災の観点から通学路危険箇所の安全確保に向けた取組を進めるとともに、各地域での見守り活動を側面的に支援し、スクールガードリーダーを継続して配置するほか、パトロール活動用の資材の整備、関係行政機関などで組織する「子どもの安全確保連絡会議」との連携などにより、子どもたちを不審者などから守る取組を継続して行ってまいります。

 郊外の学校においては、スクールバスにて通学する児童生徒の負担の軽減のため3路線を追加し、通学時間の短縮化、混雑の解消を図ってまいります。

 学校図書館では、引き続き図書館のより良い環境づくりや蔵書の充実を図るとともに学校図書館司書の配置により、本に親しむ習慣を子どもたちに根付かせるための方策を推進するなど、読書環境の一層の充実に努めてまいります。

 学校施設は、「学校施設改修計画」に基づき、効果的かつ効率的な改修を進めるとともに、猛暑対策として小中学校への計画的なエアコンの整備、学校遊具などの点検、改修・更新など児童生徒の安全確保や環境改善の取組を推進してまいります。

 また、今後の児童生徒数や学校施設の老朽化などを見据え、子どもたちにとってより望ましい教育環境の充実など、多角的・多面的な視点を持ちながら、当市における学校の在り方について研究してまいります。

 特に小規模校については、少人数での教育の良さを生かしたきめ細かな指導や、特色のある教育を行う小規模特認校制度の導入などについて検討してまいります。

 次に、学校給食では、計画的な食器の更新と給食用備品の整備や設備の改善を進めるとともに、子どもたちに安全で安心な学校給食を継続して安定的に提供していくための運営体制の維持に努め、給食食材の産地公表を引き続き実施するとともに、地産地消の取組のほか、子どもたちが食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身につけることができるよう、食育について推進してまいります。また、保護者の経済的な負担軽減、子育て支援の一環として給食費の無償化を引き続き実施してまいります。

 このほか、地域とともにある学校づくりを目指し、地域の住民や企業、教育機関などがもつ人的資源や技能などを生かした学習環境づくりを進めるとともに、コミュニティ・スクールを通じて、学校と地域住民などが、「9年間でどのような子どもを育てるのか」「地域でどのような教育を実現していくのか」という目標やビジョンを共有しながら、地域と一体となった特色ある学校づくりを推進します。

 生徒数が減少する中、その在り方について将来的な見直しが求められている学校部活動については、国や北海道が定める総合的なガイドラインを踏まえ、今後の地域移行に向けた検討のために設置した協議会において活動環境の整備、人材の確保、費用負担など、さまざまな課題を整理し、子どもたちが将来にわたりスポーツ活動や文化芸術活動に親しむことのできる新たな環境の構築に向けて、学校や関係団体と連携しながら検討を進めてまいります。

 教職員の働き方改革では、校務支援システムを活用した勤務時間の把握やICTを活用した校務の効率化を進めるとともに、すべての教職員が子どもたち一人ひとりと向き合う時間の確保に努めます。

3 高等学校・高等教育

 第三は、高等学校・高等教育についてです。

 小中学生が高等学校・大学と交流する機会を充実することで、将来を見通した学習への興味・関心や学ぶ意欲の向上を図ってまいります。

 また、網走南ケ丘高校定時制課程振興のための助成や、定時制生徒の下校時の公共交通手段確保への支援を引き続き行ってまいります。

 東京農業大学生物産業学部や地域学校協働活動事業との連携による、市内小中学校での農大生や一般市民の「教育ボランティア」の拡充にも努めてまいります。

 このほか、奨学資金制度については、貸付型の奨学資金と給付型の「サン育英奨学金」を運用することで、社会の有用な人材の育成を目指してまいります。

4 生涯学習

第四に、生涯学習についてです。

 市民の自主的で主体的な学びや市民相互の学習活動は、豊かな人間性を育み、地域力を高める大きな力となるものです。そのため、各世代の学習ニーズに対応した学習機会の充実や学習情報の提供など、市民の豊かな学びを育む環境づくりに努めてまいります。

 図書館では、市民の生涯学習の支援やさまざまな生活課題の解決のため、電子図書館の書籍充実を含め、幅広い図書資料の収集・整備の充実を図るとともに、レファレンスサービスを充実してまいります。

 「子どもの読書活動推進計画」につきましては、現在の第4次計画の評価を行い、「北海道子どもの読書活動推進計画」との整合性を図りながら第5次計画の策定に取り組んでまいります。

 また、子どもの読書活動を推進するため、学校などと連携した事業を引き続き実施するほか、図書館内外での「よみきかせ会」の開催や読書ノートの活用促進、絵本パック事業などを実施してまいります。

 高齢者や障がいのある方々の読書活動の推進では、ボランティア団体などとの協働による読書機会の充実に努めてまいります。

5 社会教育

第五に、社会教育についてです。

 社会構造が変化し、人々の生活様式や価値観が多様化するなか、恵まれた自然環境や産業特性、まちの魅力を学びにより再認識し広く伝え、活動することができる人づくりが重要であることから、網走の特色ある地域資源や歴史・文化について学ぶ「あばしり学講座」をはじめ、生活や地域の課題解決に向けた各種講座を開設するとともに、高等教育機関などと連携した多様な学習機会の提供に努めてまいります。

 また、地域全体で学校教育を支援する「地域学校協働活動事業」や「放課後子ども教室推進事業」のほか、市民や関係団体と連携し、子どもたちに質の高い学習機会を提供していくとともに、夢を持って生きることの大切さを伝える機会を創出してまいります。

 中学校の部活動をめぐっては、部活動の地域移行の方向性や解決すべき諸課題について、学校教育部と連携し、議論の取りまとめに向けて検討を進めてまいります。

 さらに、寿大学では、高齢者が健康でいきいきと暮らすための学習機会の提供を通じて、高齢者の学習意欲や活動意欲の向上に努めるほか、さまざまな世代や地域との交流を通じた高齢者の生きがいづくりを推進してまいります。

 社会教育・社会体育施設の在り方については、今後の人口推移や施設の老朽化などを見据え、市民にとってより望ましい学習環境の充実など、さまざまな視点から機能の在り方も含め、引き続き検討してまいります。

6 家庭教育

第六に、家庭教育についてです。

 子どもたちが健やかに成長していくために、家庭と地域がともに学び、地域全体で子どもを育てていくための環境づくりを目指し、学校や地域、関係団体などと連携を図りながら、子どもたちの発達段階に対応した事業を実施するとともに、健康福祉部局と連携を図り、子育て世帯を対象にした子育てに関する講座の実施など、家庭教育支援に努めてまいります。

7 芸術文化

第七に、芸術文化についてです。

 心の充実は豊かな人とまちを育むものであり、市民文化の高揚は地域社会に豊かさと潤いをもたらします。そのため、市民の誰もが優れた芸術に触れることができるよう、さまざまな分野の芸術鑑賞機会を提供するとともに、網走にゆかりのある演奏家・芸術家を招いての「ふるさとアーティストフェスティバル」を開催し、市民の芸術文化に対する意識の推進を図ってまいります。

 また、芸術文化合宿では、引き続き網走の地域性を活かし、芸術文化活動団体の合宿誘致を推進するとともに、市民との交流を通じて、まちのにぎわいづくりと市民の芸術文化の向上に努めてまいります。

 美術館では、郷土作家を紹介する常設展や、所蔵作品展の他に、洋画家「遠藤彰子の挿絵の世界展」、国内外で活躍する「平田隆宏 彫刻展」などの企画展を開催し、優れた美術作品を鑑賞する機会を提供いたします。

 さらに、「小中学生のための美術展」や市内学校への「出張美術館」を実施するほか、各種美術講座や作品解説会の開催など、美術教育の普及に努めてまいります。

 また、将来の活躍が期待される若手美術家を応援するため、市内にその作品を展示する事業を引き続き取り組んでまいります。

 博物館では、郷土を語ることのできる博物館として展示や資料をはじめ、その機能の充実に一層努めてまいります。また、歴史と自然を学ぶための企画展などを開催するほか、博物館友の会と連携した各種講座や見学会、観察会などを開催し、子どもたちや市民の学習機会の充実と教育普及活動を推進してまいります。

8 文化財

第八に、文化財についてです。

 国の史跡「モヨロ貝塚」について学ぶことのできる講演会や体験学習会などの講座を開講し、モヨロ貝塚の理解とPRに努めてまいります。

 また、博物館網走監獄の重要文化財建造物の耐震対策工事に対して支援を行ってまいります。

9 スポーツ

第九に、スポーツについてです。

 スポーツは、青少年の健全育成や健康の維持・増進、コミュニティづくりなどの役割を果たすものであり、年齢や性別、障がいの有無にかかわらず、誰もが生涯にわたってスポーツに親しみ、健康づくりに取り組むことができる環境づくりが重要です。

 このため、スポーツ施設の整備や維持管理を進めるとともに、競技スポーツの振興や、それぞれの体力や年齢・目的に応じた各種スポーツ教室を開催するなど、スポーツへの参加機会の提供に努め、スポーツを通じた健康づくりやコミュニティづくりを進めてまいります。

 障がい者スポーツの振興につきましては、市内関係団体や日本体育大学附属高等支援学校と連携し、障がい者スポーツ教室の開催や指導者育成の支援を行い、スポーツを通じた仲間づくりや交流のできる環境づくりに努めてまいります。

 次に、スポーツ合宿事業の推進では、関係機関や団体との連携を図りながら、ラグビーや陸上競技、サッカーなどの誘致活動を積極的に行うとともに、国際大会への出場選手や障がい者スポーツなど、幅広い合宿誘致に取り組み、地域の活性化およびスポーツに対する市民意識の高揚を目指してまいります。

 さらに、陸上中長距離の国内トップ選手が出場する「ホクレン・ディスタンスチャレンジ網走大会」をはじめ、市内で開催される全国、全道規模の大会など、各種スポーツ大会の開催を支援するほか、競技スポーツの振興を図るため、スポーツ団体や関係機関と連携し、競技力の向上や指導者育成、スポーツ活動の支援など、環境づくりに努めてまいります。

10 国際化対応

最後に、国際化対応についてです。

 幼児や小学生のうちから外国語に親しみ、異なる文化や風習などを体験・学習する機会の提供を通じて、日本や網走の文化を再認識するとともに、国際感覚を持った人材育成を目指した取組を、引き続き実施してまいります。

 また、市内に在住する外国人を対象に、網走の歴史や文化、魅力を学ぶ機会や、市民と交流する機会を提供し、市民と在住外国人が互いに文化を理解し共有できる環境づくりに努めてまいります。

おわりに

 以上、令和6年度における教育行政推進にあたっての教育施策の概要について申し上げました。

 教育委員会では、社会がどのように変化しようとも、子どもたちが自らの夢や希望に向かって、自立して社会でたくましく生きていくために必要な、総合的な人間力の基礎を身につけることができるよう、学校と家庭・地域が共通の認識の下、関係機関・関係団体などとの連携を図りながら、本市教育のより一層の充実・発展に全力で取り組んでまいりますとともに、生涯を通して豊かに学ぶことのできる生涯学習社会の構築に努めてまいります。

 市民の皆様並びに議員各位の一層のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。